本日もコッカー日和_2

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

暗い部屋

 「暗いなあ。」
 案内された部屋に入った時の第一印象だ。

 17××と刻印されたプレートが付けられた石造りの厚い壁と蓬を連想させる草色の壁紙、腰の高さから始まり天井まで続く背の高い、しかし幅は一メートルほどの細長い出窓、丸くなった角が長い時間を主張しているチョコレート色の板張りの床。部屋の中にある灯りは布張りの大きな円筒が載ったスタンドが一つ、ベッドサイドと壁に向いた造り付けのデスクの上に黄色い尖り帽子の小さなスタンドが置いてあるだけ。

 何処かに照明が隠されているのではないかと部屋中を探し廻り、見つけたスイッチらしきものを片っ端から触ってみるが、やがて無駄な事だと気付かされる。

 生活習慣の違いもあるが青い目は少ない光で見える、とは昔ある写真家から聞いた話。
 プレートに刻まれた17××がこの建物の建築年を示しているであれば、当然電気の照明もガス燈も無く、灯りと言えば蝋燭くらいな時代。現在と違って日の出から日没までが活動時間だった頃には部屋の明るさなど気にする必要がなかったのかもしれない。

 そんな事を想いながら出窓に腰掛け、教会の尖塔の上を走る白い雲を眺めていると、開け放した窓からフランス語の喧騒と共に冷たい風が流れ込んできた。
スポンサーサイト

| 作文 | 17:58 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

TRACKBACK URL

http://nola0638.blog.fc2.com/tb.php/273-ac1c3728

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。